egg の使い方

[1]初めて egg を使う

理工UNIXシステムで初めて egg を使う場合、次の準備をしておいてください。
  1. ~/.eggrc がもしあったら、ファイル名を変えておくか、削除する。
    昨年度までの古い設定ファイルが残っているかも知れません。
  2. ~/Wnn6 というディレクトリを作成しておく アカウント登録時に作ってあるはずですが、なければ
  3. % mkdir ~/Wnn6
    を実行してください。

[2]egg のモード

egg には、いくつかのモード(状態)があり、これらを行き来することで かな漢字変換を行なっています。

(1)透過モード

Emacs が起動された時のバッファ(*scratch*)や、新しく作ったバッファ は、通常、透過モードになっています。 この時、モードラインは次のようになっています。

モードラインの左端の [----] という表示が egg のモードを表してい ます。この時点では、egg はまだ起動されておらず、egg を組み込んで いない Emacs と同じ状態にあります。このモードで入力された文字は、 通常の英数字(いわゆる「半角文字」です)として解釈されます。

(2)ローマ字かなモード

透過モードで Control-\ を入力すると、モードラインは次のように変 わります(toggle-egg-mode)。


このモード([あ])を、ローマ字かなモードと呼びます。このモードで 入力すると、まず現在のカーソルの位置に "|" が二つ現れ、この間に 入力された文字列をローマ字入力と解釈してひらがなで表示していきま す。 たとえば、"waseda" と入力した場合、現在カーソルのある位置に

|わせだ|
と表示されます。 この "|" をフェンスと呼び、この状態をフェンスモードと呼びます。

(3)フェンスモード

ローマ字かなモードで文字を入力し始めるとフェンスモードになります。 このモードでは、カーソルをフェンスの外へ移動することができません。 このため、カーソルをフェンスの外へ移動したい場合、フェンスの中を 確定させるか取り消さなければなりません。 フェンスモードで通常の英数字(いわゆる半角文字)を入力するには Control-\(fence-toggle-egg-mode)を入力します。すると、モードライ ンは


となります。このモード([aA])を半角入力モードと呼びます。ここで たとえば "university" と入力した場合、入力文字はそのままフェンス の中に書かれて、

|わせだuniversity|
のようになります。
半角入力モードを終了するには、再び Control-\ を入力します。

どのモードでどのキーを押すとどうなる
フェンスモード[Return] or Control-lフェンスの中を確定
フェンスモードControl-c or Control-g
(fence-cancel-input)
フェンスに入力している文字列を削除

フェンスモードで Control-_ を入力すると egg はミニバッファに


と表示して、JISコードで漢字を入力することができるようになります。 漢字コードは16進数で入力します。JISコードを入力せずに Control-g を入力するとフェンスモードに戻ります。

注意!
現在広く使われている漢字コードには、JISコード、MS漢字コード (MSCODE: いわゆる「シフトJISコード」です)、EUCコードなど、さまざ まなものがあります。egg は漢字コードを入力する時、JISコードで入 力することになっています。このため、自分の使っている漢字コード表 がJISコードで記載されていない場合、求める漢字を呼び出すことがで きません。

(4)漢字変換モード

フェンスモードで Control-w または[SPACE]キーを押すと、フェンスの 中が漢字に変換されます。このモードを漢字変換モードと呼びます。

注意!
半角入力モードの時に[SPACE]キーを入力すると、単に空白がフェンス の中に入るだけで漢字に変換されません。このような場合には、 Control-\ を入力し半角入力モードを終了してから[SPACE]キーを押す か、Control-w で変換してください。

(5)最初に漢字変換モードに入る時

egg は Emacs 起動後、最初に漢字変換モードに入る時にjserver と通 信しようとします。この時、egg は
ホスト muse01 の Wnn を起動しました 
というメッセージをミニバッファに表示します。そしてミニバッファに
Loading eggrc-v4....
と表示して、ユーザの頻度情報ファイルと個人辞書ファイルを探しにい きます。

  1. 初めて egg を使った場合
  2. 初めて egg でかな漢字変換を行なう場合、頻度情報ファイルと個人辞 書ファイルがないので、

    と表示して、新しく作成するかどうか聞いてきます。特別な理由がない 限り、"y"と入力します。 頻度情報ファイルとは、一般に「学習機能」と呼ばれているものを記録 するためのファイルで、それぞれの辞書ごとに用意する必要があります。 理工UNIXシステムには現在、次の9種類の辞書が載っています。

    したがって egg を初めて使う時には、9種類の頻度情報ファイルと利用 者辞書がないと10回怒られ、一つずつ「作りますか?」と聞かれます。 面倒ですが全部に"y"と答えてください。 すべてのファイルを初期作成して、(ようやく)egg は漢字変換を行ない ます。 漢字変換モードでは、モードラインの表示は [漢] となります。

  3. 漢字変換モードでのコマンド
  4. 一人一人の頻度情報によって変換結果に多少の違いが出ますが、たとえ ば次のように変換されます。
    |早稲だ university|
    
    フェンスの中のかな文字列は文節に分解されると主に漢字に変換され、 文節と文節の間に空白を置いて表示されます。
    変換結果が望んでいた通りではない場合、文節単位で再変換することが できます。

    どのキーを押すとどうなる
    Control-n or [SPACE]カーソルのいる文節を次の変換候補で置き換える
    (henkan-next-kouho)
    Control-pカーソルのいる文節を前の変換候補で置き換える
    (henkan-previous-kouho)
    Meta-s変換候補一覧をミニバッファに表示する
    Control-nで次の候補一覧を表示
    Control-pで一つ前の候補一覧を表示
    Control-fで一つ右の候補へカーソルを移動
    Control-bで一つ左の候補へカーソルを移動
    [Return]キーで変換確定
    (henkan-select-kouho)
    Control-iカーソルのいる文節の最後の一文字を切り離し、カーソルのいる文節を短く縮める
    切り離された文字以降はもう一度文節を切り直される
    (henkan-bunsetu-chijime)
    Control-oカーソルのいる文節の次の文節の先頭から一文字切り取ってきて、カーソルのいる文節を長く伸ばす。
    切り取られた文字以降はもう一度文節を切り直される
    (henkan-bunsetu-nobasi)

    この例では、「早稲だ」を「早稲田」に直すために[SPACE]キーを一回 押します。
    |早稲田university|  
    
    これで求める漢字が得られたので[Return]キーを押して確定します。
    早稲田university
    

[3]利用者辞書登録

システム辞書(共用辞書)に載っていない単語を、自分の辞書(利用者辞 書)に登録することができます。 egg の辞書登録は、すでにテキストウィンドウに表示されている単語を リージョンとして指定し、それに読みや品詞名を指定することで行ない ます。 ここでは、「森高千里」という単語を自分の辞書に登録する方法を通し て、利用者辞書への登録方法を説明します。 まず、なんらかの方法で登録したい単語をテキストウィンドウに表示し なければなりません。たとえば、JISコード入力を用いたりして表示さ せます。
森高千里
次に登録したい単語の先頭へカーソルを移動しマークします。 (Control-スペース)
そして、登録したい単語の最後へカーソルを移動して、辞書登 録を行なう命令
Meta-x toroku-region[Return]
を入力します。

マークした位置と、カーソルの位置に挟まれた部分をリージョンと呼びま す。
上記の場合、”森高千里”をリージョンに指定することになります。

すると、egg は

と表示して、読みを入力するよう求めてきます。
読み(もりたかちさと)を入力して、[Return]キーを押します。

すると、次に

と表示して、どの利用者辞書へ登録するのか選ぶよう求めてきます。
辞書は一つしかないので、ただ単に[Return]キーを押します。 次に

と表示して、単語の品詞を選ぶよう求めてきます。
該当する品詞へカーソルを移動して、[Return]キーを押します。
カーソルは Control-f で一つ右の品詞へ、Control-b で一つ左の品詞へ移動します。
また、Control-n で次の品詞一覧を、Control-p で一つ前の品詞一覧を表示します。
品詞を選択して(この場合、1の固有名詞)[Return]キーを押します。
次に、

と表示して、更に詳しい品詞を選ぶように求めてきます。
ここで、1の人名を選択して、[Return]キーを押します。
これで、単語の登録が完了しました。

SEE ALSO
<on-line>
  [info]   : egg
             nemacs

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